言葉ではなく…
1972年のナショナル・マガジン賞を受賞された『タイム』誌のシニア・ライターであるランス・モロー氏が、こっそり日本の取材にこられたときだ。
私は関西にいる弟と相談し、彼を大阪城へ案内したのち、サウナ風呂へ連れていくことにした。
氏の眼は輝いていた。
「日本へ来てわかったことだが、横にいる人間に対してまったく警戒心を抱かない。
ニューヨークにいると、前、横、斜めの人間一人一人が私を狙っているような感じがする。
とにかく人が信じられないのだ。
大阪とはすばらしく安全なところだ」
・・・たぶんそれは、本音であろう。
身も心もリラックスさせるサウナ風呂の中だからこそ、そういう面白い観察ができたのであろう。
「これで命の洗濯ができた」と言って大喜びだった。